2009年8月13日木曜日

10年後も通用する文章術

◎「駄目でない」文章を書くための9カ条

私は企業のIT企画部門の課長としてチームメンバーの文章をチェックしています。また,教育コンサルタントとしてビジネス文章を教えたり,国家試験科目の論文添削をしています。

 異なる立場で非常に多くの文章を見てきたので,今では「どんな文章が駄目なのか」がよく分かるようになりました。ここから紹介するのは「よい文章を書く技術」です。

「よい文章」とは「駄目でない文章」

 私は人に「よい文章を書くコツは何ですか?」とよく聞かれます。そのときにはいつも,「駄目な文章を書かないようにすることです」と答えています。

 人が何をもって「よい文章だ」と感じるかどうかは,極めて主観的なものだと考えています。個人の受け止め方や感じ方に依存する部分が多いからです。

 では,ビジネス文書でも「よい文章」を書かなくてはいけないのでしょうか。もちろん,それができるに越したことはありません。

 しかし,どんな人でも「うまい」と言わせるような文章を書けるようになるには,相当な訓練が必要で時間がかかります。普段忙しいビジネスパーソンに,なかなかその余裕は作れません。

 少なくとも「駄目な文章」と思われなければ,ビジネス文章としてはとりあえず十分――。私はこう考えています。

 そこでこの連載では,「誰が見ても下手で駄目」という文章を書かないこと=よい文章を書ける,と定義し,その技術を紹介していきます。これは,私が会社員として20年,教育コンサルタントとして10年活動して体得してきた超実践的な技術セットです。

駄目な文章は「どこが駄目」か

 駄目な文章を書かないようにするにはまず,何が駄目かを理解しなければなりません。まずは駄目な文章を見ていくことにしましょう。

 普段,私が文章をチェックして指摘しているのは以下の9つの項目です。これらを指摘されないようにすれば,とりあえず文章で「駄目」と言われることはなくなると思います。

文章を見ると思わず言ってしまうこと
(1)主張を書いて!
(2)理由を書いて!
(3)(構造化の)階層をそろえて書いて!
(4)概要と詳細に分けて書いて!
(5)一言で表現して!
(6)抽象的な表現でなく,具体的に言って!
(7)省略をしないで書いて!
(8)事実と意見は分けて書いて!
(9)論点を明確にして!


 では,具体的に説明しましょう。このあたりの話は,過去の連載にでも書いているのでそちらもご覧ください。繰り返しになる部分もありますが,簡単に説明しておきます。

(1)主張を書いて!

 他人を説得するにはまず,主張がないといけません。「何をするのか,したいのか」をハッキリと明確に書きましょう。

(2)理由を書いて!

 主張に説得力がないのは,理由が弱いからです。

「なぜ,それがよいのか」
「それがよいといえる背景」
「問題はなぜ,起こっているのか」

 このように「なに」「なぜ」に対応できる理由を書くことが欠かせません。

(3)(構造化の)階層をそろえて書いて!

 文章は構造を持ちます。たとえば「原因と結果」「問題と背景」「理由と主張」などは,それぞれ関係があります。

 そして,文書構造の要素には,グループや階層(レイヤー)があり,これがそろっている必要があります。原因がない結果,結果だけで原因がないような構造はバランスが非常に悪いものになります。

(4)概要と詳細に分けて書いて!

 いきなりテーマに関する中身を詳細に書いてある文章が出てくると,読み手は短時間で全体を理解することができません。

 まず概要を書いて,内容を大まかに理解をさせてから詳細な説明に進むような工夫が必要です。

(5)一言で表現して!

 時間がないときに長い文章を読まなければならなくなると,その人は不機嫌になります。一言で書くことはとても重要です。

(6)抽象的な表現でなく,具体的に言って!

 説明が抽象的でイメージがわかない文書は分かりにくくなります。分かりやすく具体的に書くことが必要です。

(7)省略をしないで書いて!

 ここでの省略とは論理学上の言葉で,「自分が知っていることを書かない」ことをいいます。

 自分がよく知っていることを他人がよく知っているとは限りません。相手の持つ知識量や前提経験に照らし合わせて,「省略する,しない」を判断することが重要です。

(8)事実と意見は分けて書いて!

 事実と意見を一緒に書かれると,どう判断してよいか困ります。

「3丁目で事故があった。人が大けがをした。渋滞で救急車の到着が遅れてしまい,意識不明のようです」

 こう書かれると,どこが事実で,どこが推測か,うわさかが分かりません。事実は事実,意見(推論や推量)は意見として書くことが必要です。

(9)論点を明確にして!

 テーマがぼやけると相手は理解ができません。何をするための文章なのかテーマを絞りましょう。

よい文章を書くための「6力」

 ここまで説明した「駄目な文章を書かない=よい文章を書くため」の方法として,私は以下の6力を定義し,OJTやセミナーで教えています。

よい文章を書くための6力
(1)確実に伝える~論点絞り力
(2)納得させる~論理的記述力
(3)一目で認知させる~構造化力
(4)理解しやすくする~平易表現力
(5)正確に伝える~正確表現力
(6)少ない文章量で伝える~短文表現力

 基本的にこの6力を体得すれば日常業務で文章に困ることはなくなると思います。次回は,駄目な文章を書かないための具体的な「6力」について説明します。


◎論点絞り論理的・構造的に表現する

前回は,駄目な文章の要素を説明しました。よい文章の定義は難しいですが,誰が見ても駄目な文章の定義は比較的簡単です。

 そこで前回の最後では,「駄目な文章を書かない」ための「6力」,すなわち6つの力を説明しました。

よい文章を書くための6力
(1)確実に伝える~論点絞り力
(2)納得させる~論理的記述力
(3)一目で認知させる~構造化力
(4)理解しやすくする~平易表現力
(5)正確に伝える~正確表現力
(6)少ない文章量で伝える~短文表現力

 今回と次回で,これら6つの力について具体的に説明していきましょう。

(1)確実に伝える~論点絞り力

ポイント
・「一番言いたいこと」を1つに絞り,その理由,詳細,具体策と展開する
・関係のない話や,無駄な話は排除する

 相手に伝えるために必要なのは,「言いたいことを絞る」ことです。関係しそうなことを思いつきで書いていく。こうした論点を絞らない文章は分かりにくく,説得力が低くなります。

 まず,論点を絞り,その論点に沿って,

「何を言っているのか」
「なぜそうなのか」
「具体的にはどういうことか」
「詳細に言うとどうなのか」

が明確にして書かなくてはなりません。たとえば,

IT企画課長殿

システムパッケージの導入について   開発2部 山田

・パッケージを数社評価してみましたが,どのパッケージも機能が少なく,当社の業務にそう簡単にはフィットしそうにありません。
・カスタマイズが多くなると思われますので,どうにかすべきです。
・また,パッケージの中には,パラメータ設定が弱いものがあり,これへの対策も必要です。
・なお,外部コンサルタントに確認したところ,パッケージを導入する場合は,ベンダーのSEの動員力というベンダーのパワーがポイントになるということです。
・カスタマイズの件,お願いします。

以上

 この文章は論点が不明確です。

「カスタマイズが多くなると思われますので,どうにかすべきです。」
「カスタマイズの件,お願いします。」

という2つの記述から,カスタマイズを少なくなるための方策を

(1)IT企画課長に相談したい
(2)IT企画課長に考えてほしい

のどちらかだと読むことができそうですが,それにしても内容が曖昧です。

 また,「パラメータの設定」や「ベンダーのパワー」の話が出ていますが,中途半端な書き方なので,論点がぼやけています。

この文書は,以下のように直すべきでしょう。

IT企画課長殿

システムパッケージのカスタマイズ減少策検討依頼  開発2部 山田

・パッケージを数社評価してみましたが,どのパッケージも機能が少なく,当社の業務にそう簡単にはフィットしそうにありません。
・カスタマイズが多くなると思われますので,IT企画課でカスタマイズ減少策の検討をお願いいたします。
・資料,評価項目は,当方より提示いたします。

以上

 まず,タイトルを変えて論点を明確にし,依頼事項を明確にして論点を絞ります。

 このように「言いたいことは何か」を明確にし,論点を設定し,論点に沿った文章を書くことが必要です。

(2)納得させる~論理的記述力

ポイント
・「主張」したら根拠(理由)を書く
・根拠は,事実に基づく納得感のあるものにする
・根拠のない主張は絶対にしない

 説得力のある「よい文章」は「主張」が明確で,その主張に納得できる根拠(理由)が明記されているものです。言いっぱなしで,根拠が伴わない主張しかない文章は説得力が低くなります。

 根拠(理由)は明確で納得できるものでなくてはなりません。このためには,事実に基づいた根拠を利用します。事実は否定しようがなく,読み手に強い納得感をもたらします。

 このように「主張と根拠の関係とは何か」を理解し,主張と根拠がしっかりした文章を書くことが必要です。

(3)一目で認知させる~構造化力

ポイント
・「同じグループ」のことをまとめてタイトリングしたり,「同じ階層(レイヤー)のことをレベルをあわせて書く
・文章の性質(主張,理由,概要,詳細,論拠となる事実など)に合わせて,バランスのとれた構造を作る

 説得力のある「よい文章」がもつ構造上の美しさ,分かりやすさを実現するのが,文章の構造化です。

 同じグループのことをまとめてタイトリングして書いたり,同じ階層(レイヤー)のことをレベルを合わせて書き,構造化されたバランスのとれた分かりやすい文章を書くことが必要です。

 次回も6力の続きを説明します。

<お知らせ>筆者の「文章力の本」が2月20日に発刊されました。タイトルは,「エンジニアのための文章術再入門講座」です。本連載「10年後も通用する文章術」と連動していますので,よろしければ読んでみてください。

◎平易に,正確に,短く表現する

前回に続いて,「駄目な文章を書かない」ための「6力」を説明しましょう。6力とは

よい文章を書くための6力
(1)確実に伝える~論点絞り力
(2)納得させる~論理的記述力
(3)一目で認知させる~構造化力
(4)理解しやすくする~平易表現力
(5)正確に伝える~正確表現力
(6)少ない文章量で伝える~短文表現力

のことです。前回は(1)から(3)を説明しました。今回は(4)から(6)を説明します。

(4)理解しやすくする~平易表現力

ポイント
・「難しい用語,専門的な用語,自分やチームの人」しか分からない言葉は,言い換えて表現する
・ただし,文章に前修飾すると分かりづらいので,注やカッコで脚注にする

 説得力のあるよい文章を書くためには,その文章で何を言いたいのかが相手に確実に理解してもらえるようにしなければなりません。このような文章に必要なのは,「できるだけ平易に表現する」ことです。

 そのためには,専門用語や難しい用語,自分やチームしか分からない用語をできるだけ避ける必要があります。これらの用語を使って文章を書くと,その文章は分かりにくくなり,説得力も低くなります。これでは相手に理解してもらうことができません。

●前修飾による読みにくさを解消する

 分かりやすい言葉を使っているにもかかわらず,文章が分かりにくくなるケースがあります。以下の文をご覧ください。

来年45歳になるかなり厳しい私の前の上司が新しい所属の部長になった。

 なぜ分かりにくいのでしょうか。「来年45歳になるかなり厳しい」という前修飾を使っているからです。

 この例からも分かるように,名詞などの語句を前から修飾すると意味が分かりにくくなります。この文を以下のように修正すると,意味が通りやすくなります。

私の前の上司(※)が新しい所属の部長になった。
※来年45歳。指導はかなり厳しい。

 このように「平易に表現する」ための要素を理解し,簡潔で意味の通りやすい文章を書くよう心がける必要があります。

(5)正確に伝える~正確表現力

ポイント
・「自分が知っていること」を省略しない。あくまで相手の知識,理解をベースに書く
・主語,主体を明確に書く
・曖昧な表現,無意味な表現は避ける

 分かりやすく書くためには,むやみに省略をしないことが大切です。省略とは,本来記載すべき内容を「書かない」ことを言います。

 読み手と書き手では,持っている情報や知識の量は異なっているのが普通です。文章でむやみに省略してしまうと,読み手が理解できないものになってしまいます。省略は,書き手と読み手の両方が既知の内容だけにすべきです。

たとえば,以下の文章があったとします。

大川営業部長様

レビューについてご依頼の件

スペースシステム
川端

 システム品質を確保するため,レビューを行っていただきたく,お願いいたします。


 ・要件定義承認レビューは,インスペクションで実施します。
 ・各工程の担当者レベルレビューは,ウォークスルーで実施します。

詳細は,別紙の通り。

以上,よろしくお願いいたします。

 これを渡して読んでもらう相手は,システムを知らない営業部門の課長です。インスペクションとか,ウォークスルーとかの意味は分からないと考えるべきです。「営業部門の部長に,システム専門用語をそのまま使うはずがない」と思うかもしれませんが,若いエンジニアは,結構このようなことをしてしまいがちです。

●知識差のための説明が不足

 先の例のように,保有する知識に差があると思われる相手に向けて文書を書く場合は,十分気をつけなくてはなりません。あなたが開発側担当者だとしたら,顧客の担当者や責任者に向けて書く場合が該当します。

 人は本来,自分本位なものです。「自分が知っていることは相手も知っている」と,つい思い込んでしまう悪い癖があります。このため,他人に説明すべきことを省略するケースが多く,これが分かりにくい文章を書いてしまう理由となっています。

(6)少ない文章量で伝える~短文表現力

ポイント
・無駄な文章をそぎ落とす
・図を使う
・短くするための言い換えを使う

 説得力のあるよい文章は,短い時間で,一目で直感的に内容を理解できます。こうした文章を書くためには,無駄な文章をそぎ落とすことはもちろん,言い換えや記号化,図表などを使うことが必要です。

 締まりのない長い文章をよく見かけます。こうした文章は理解しにくいだけでなく,論点もぼやけてしまいます。

 では,短い文でどう表現すればいいのでしょうか。ポイントは以下の4つです。

短文表現力のポイント
(a)助詞,形容詞,修飾語などを排除する
(b)注で飛ばして本文から省く
(c)受身表現を能動態にしたり,体言止めで省く
(d)絵や表に置き換えて省く

 次回は「10年後も通用する文章術」のまとめとして,具体的な文章の修正の進め方を説明します。

<お知らせ>筆者の「文章力の本」が2月20日に発刊されました。タイトルは,「エンジニアのための文章術再入門講座」です。本連載「10年後も通用する文章術」と連動していますので,よろしければ読んでみてください。



◎「6力」を使って文章を直す

 前々回前回で,「駄目な文章を書かない」ための「6力」を説明しました。6力とは

よい文章を書くための6力
(1)確実に伝える~論点絞り力
(2)納得させる~論理的記述力
(3)一目で認知させる~構造化力
(4)理解しやすくする~平易表現力
(5)正確に伝える~正確表現力
(6)少ない文章量で伝える~短文表現力

のことです。

 これで6力すべてを説明しました。今回は具体的に文章を直していきたいと思います。

6力「使用前」の文章(約350字)

 最初に「6力使用前」の文章を掲載します。以下は,架空の企業A社のシステム開発プロジェクト向けに作成した文章です。この文章を「6力」を使って修正してみます。

開発部各課長殿

テストに関する依頼の件
開発部2課 奥田


・開発は現在システムテスト・フェーズに入っており,テストは3900ケースを完了した状態で,バグ数は累計で54件であり,安定した水準です。

・ただし,今後のことを考えた場合に,もう少しテスト要員を増加しておく必要があると考えられ,増員を検討しています。

 つきましては,部内関係各課の皆様に,テストサポートに関する説明をしたいと思いますので,日程調整したいので,このメールに添付しています日程調整表に皆様の都合のよい日程を記入の上,返信ください。明日中でお願いします。

・テスト説明を行い,皆様にテストのやり方,方法を理解していただいた上で,テストサポートができる場合は,手伝っていただける部下メンバーを選出いただきます。そのときは,また,ご連絡いたします。

以上



チェックして修正する

 では,この文章を順に見ていきましょう。最初に,以下のセンテンスがあります。

・開発は現在システムテストフェーズに入っており,テストは3900ケースを完了した状態で,バグ数は累計で54件であり,安定した水準です。

 これは現状説明を補足的に書いているに過ぎず,今回の文章のメインテーマ(論点)にはなっていません。今回の論点は以下の部分です。

部内関係各課の皆様に,テストサポートに関する説明をしたいと思いますので,日程調整したいので,このメールに添付しています日程調整表に皆様の都合のよい日程を記入の上,返信ください。明日中でお願いします。

 ただし,この文章は長い上に,メインの主張の前に「テストサポートに関する説明をしたいと思いますので,日程調整したいので,」という長い修飾語が入っています。このため,構造の理解に時間がかかります。

 そこで大事なことを先に書き,理由や補足を後から書く方式に変更します。

1. 依頼事項
 以下,説明会の日程を調整したいので返信願います。
 -->テスト要員増員に関する内容
 -->添付の日程調整表に記載の上,返信してください(明日中)

 上記の文章では,「1. 依頼事項」が,論点のラベルの効果,「以下,説明会の日程を調整したいので返信願います。」がメインテーマ(論点の位置づけ),

 -->テスト要員増員に関する内容
 -->添付の日程調整表に記載の上,返信してください(明日中)

が,会議の内容と日程調整に関する作業の詳細内容になっています。これなら,読み手は「自分は,なぜ,これをすべき」かを確実に理解できます。

 さらに,タイトルを変更しましょう。タイトルでは,文章の意味をひとことで表現する必要があります。元の「テストに関する依頼の件」では,テストに関する何の依頼なのかがよく分かりません。

 そこで

テストメンバー増員に関し,説明会参加依頼の件

に変えました。これで内容が具体的になり,何をして欲しい文章なのかが分かります。

6力「使用後」の文章(約220字)

開発部各課長殿

テストメンバー増員に関し,説明会参加依頼の件
開発部2課 奥田


1. 依頼事項
 以下,説明会の日程を調整したいので返信願います。
 -->テスト要員増員に関する内容
 -->添付の日程調整表に記載の上,返信してください(明日中)

2. 背景
 テストは安定消化中※だが,今後のテスト項目が増加
 -->メンバーの確保が必要なため。
 (※3900ケースが完了。バグ数:累計で54件)

3. 今後の予定
 今回説明の「テスト手順」を確認の上,各部門から協力メンバーを選出いただく。(詳細は別途連絡)

以上

「6力」を使用するメリット

 6力を使用する前の文章と使用した後の文章を比べてください。そのメリットは以下の5点にまとめることができます。

(1)受け手が「何をすればよいのか」が明確で,一目で分かるようになっている
-->使用前は,全ての内容を読まないと何をすべきかが分からない

(2)依頼事項と,その理由の関係が分かりやすい
-->使用前は,依頼内容とその理由の関係が分かりにくい

(3)参考情報とメインテーマの記載順番が正しくなっている
-->使用前は,参考情報(テスト状況の数値)が前で,依頼事項が後ろにあるので,優先順位が分かりづらい

(4)タイトルが行動を表現するものになっている
-->使用前は,タイトルが曖昧であまり意味がない

(5)全体的に構造化され,文字数も減っており,きれいで見やすい
-->使用前は,すべての文章を読まないと全体構造が分からない上に文字量が多いので,全体の解読に時間がかかる。

 このように文章を良くする技術を知っておき,それを使って文章を修正していくことで,文章はとても良いものになっていきます。

 ここまでで説明した文章力は,課長になっても,部長や役員になっても,独立して働くときであっても必要な技術です。それこそが「10年後にも通用する文章術」なのです。

<お知らせ>筆者の「文章力の本」が2月20日に発刊されました。タイトルは,「エンジニアのための文章術再入門講座」です。本連載「10年後も通用する文章術」と連動していますので,よろしければ読んでみてください。


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