昨天诞生摇滚乐女王-淡谷,
▼昭和30年代の半ばのこと、池田勇人首相が、かの所得倍増計画を打ち上げた。国会で説く池田に、淡谷は「所得倍増の中には農民も入っているのか」と迫った。短い質問は池田を絶句させ、淡谷は大いに名を上げたそうだ
▼「淡谷の農民算数が池田の高等数学に勝った」などと新聞が書き立てたと、作家の吉武輝子さんが『ブルースの女王・淡谷のり子』に書いている。日本の農業はその後、高度経済成長と行き交うように衰退していく。そして今や、食料の自給率は4割前後を低迷する
▼その農業をめぐる政策が、きたる総選挙の大きな争点になっている。民主党は農家への戸別所得補償を打ち出した。自民党も所得の増加を第一にうたい、盛りだくさんの支援策を掲げている。淡谷が聞いたら喜ぶだろうか、それともバラマキだと叱(しか)るだろうか
▼農業、とりわけ米はもともと政治的利害に左右されやすい「政治作物」だったという。だが最近は、その場の政局に振り回される「政局作物」になったと、東大名誉教授の佐伯尚美さんが小紙で語っていた。定見と展望を欠く政治への叱咤(しった)だとお見受けした
▼青い稲が美しくそよぐ季節である。各党の公約はよもや、青田を「票田」としか見ない甘言ではあるまい。じっくりと吟味して「日本の食」の将来を託すことにする。
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