2015年6月30日火曜日

IoTの成長分野はスマート工場、医療、小売

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150629/425542/?rt=nocnt

台湾Advantech社は組み込みシステムや産業用PCの開発/製造/販売を手掛けている企業である。同社はIoT(Internet of Things)を大きなビジネスチャンスと捉えている。
 同社 Chairman & CEOのKe Cheng Liu氏は「IoTのマーケットはまだ立ち上がったばかり。今のIoT分野に存在する事業は氷山の一角のようなもので、一部分しか現れていない。IoTはスマートフォンなどの商品と違い、セグメントが細かく分かれているため、ワンプレイヤーで牛耳ることはできない。一緒に事業を行っていくパートナーが必要となる」と語る。同氏に、IoT分野の戦略を聞いた。
――IoTといっても様々な市場があるが、これから成長するスピードが速い分野は何だと思うか。
Liu氏:成長するスピードが速いと考えているのは第1にファクトリーオートメーション、第2に医療、第3に小売だと考えている。特に日本の医療分野に入っていくのは難しいが、我々は中国インドで医療事業を成功させているのでアドバンテージがあると考えている。
――今後、日本にどんな投資をしていくのか。
Liu氏:日本には最先端の技術があるので、我々にとってもチャレンジングな市場だ。ただ、組み込みシステムは高い評価を受けており、日本企業のパートナーとなることができた。これからは病院や小売の分野に挑戦して、大きな市場を取っていきたいと考えている。日本の顧客がアジアのビジネスに進出する手助けをすることでパートナーシップを築きながら、その流れの中で我々も日本市場に浸透していきたい。
――中国は「Industry 4.0」のような工場のスマート化に対してどれくらい積極的なのか。
Liu氏:中国の製造業は低賃金の労働者により支えられてきた。だが、当社の中国工場でも毎年15%ずつ賃金が上がっていて、台湾と変わらない水準になりつつある。中国政府は、生産効率を高めるために、工場のスマート化を推進しようと考えていて、その中で「中国製造2025」という方針を示している。ファクトリーオートメーションは中国でも大きなビジネスチャンスと考える。
――日本の企業は、これからどう動くべきか。
Liu氏: 5~10年以内に業界の勝者が決まってしまうため、IoTというトレンドに対して早く動く方がいい。日本企業は品質を大事にしているが、時には大胆さが必要だ。IoTの戦略は会社でしっかりと定めていった方がいいだろう。そして自分たちだけでやるのではなく、外部の力を積極的に取り入れていくべきだ。最後になるが、IoTをソリューションまでの事業として考えた方がいい。単にIoTの製品を作るだけでは小さなビジネスに収まってしまう。だからこそ、ソリューションまで総合的にやっていくべきだ。
台湾Advantech社 Chairman & CEOのKe Cheng Liu氏

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